
ハーレーダビッドソンという特別なバイクを手に入れたオーナーの多くが、「ハーレーの車両保険には入るべきか」という疑問に直面します。
高価なバイクだからこそ、万が一の備えは欠かせません。この記事では、そもそもバイクの車両保険は入るべき?という基本的な問いから、もし車両保険に入ってなかったらどうなるのか、という具体的なリスクまで、詳しく解説します。
また、月々の維持費や年間費用に与える影響、おすすめの盗難保険、さらには旧車の保険加入の可否についても触れていきます。アクサのハーレー保険といった具体的な商品や、バイク保険のランキング情報、そして多くの人が抱くよくあるご質問にもお答えし、あなたのバイクライフに最適な選択ができるよう、必要な情報を網羅的にお届けします。
- 車両保険の基本的な必要性と任意保険との明確な違い
- 車両保険に加入しない場合のリスクと経済的な負担
- ハーレーにおすすめの保険商品と料金の具体的な目安
- 自身の状況に合わせた最適な保険選びの判断基準
ハーレーの車両保険、入るべきかを多角的に解説
- バイクの車両保険は入るべき?その必要性
- もし車両保険に入ってなかったらどうなる?
- 任意保険の相場と補償範囲の違い
- 月々の維持費や年間費用への影響
- 旧車も対象になる保険はあるのか
バイクの車両保険は入るべき?その必要性

バイクの車両保険に加入すべきかという問いを考える上で、まずは保険の基本的な役割を理解することが大切です。車両保険は、事故や転倒などによって自分のバイクが損害を受けた際に、その修理費用などを補償してくれる保険を指します。
公道を走るすべてのバイクに加入が義務付けられている自賠責保険は、事故の相手方のケガや死亡に対する補償(対人賠償)のみが対象です。したがって、自分自身のケガやバイクの修理費、またガードレールや建物といった「モノ」への損害は一切補償されません。
これを補うのが任意で加入するバイク保険ですが、その基本プランでも自分のバイク本体の損害は対象外となることがほとんどです。ここで車両保険の必要性が生まれます。例えば、カーブを曲がりきれずに転倒してしまった自損事故や、相手が特定できない当て逃げ被害に遭った場合、修理費用は全額自己負担となります。
ハーレーのような高価なバイクの場合、少しの損傷でも修理には数十万円、場合によっては百万円以上の費用がかかることも珍しくありません。このような予測不能な出費に備え、大切な愛車を守るために車両保険の加入を検討する価値は十分にあると考えられます。
もし車両保険に入ってなかったらどうなる?

もし車両保険に加入していない状態でバイクが損害を受けた場合、その経済的負担はすべて自己責任でのしかかってきます。具体的にどのような事態が想定されるのか、いくつかのケースを見ていきましょう。
最も分かりやすいのは、修理費用の全額自己負担です。ハーレーの純正パーツは高価なものが多く、カウルやタンクに傷がつけば、その交換費用は決して安くはありません。事故でフレームにまで損傷が及んだ場合、修理費用がバイクの購入金額を上回ることもあり得ます。
さらに深刻なのは、バイクが全損または盗難に遭ったケースです。ローンを組んでハーレーを購入した場合、バイクが手元からなくなっても、ローンの支払い義務は残ります。つまり、愛車を失った悲しみに加え、存在しないバイクのために毎月の支払いを続けなければならないという、精神的にも経済的にも非常に厳しい状況に陥る可能性があります。
車両保険に加入していれば、このような事態でも保険金を受け取ることが可能です。受け取った保険金をローンの返済に充てたり、新しいバイクの購入資金の一部にしたりと、経済的なダメージを大幅に軽減し、バイクライフを再スタートさせるための大きな助けとなります。
任意保険の相場と補償範囲の違い

バイク保険を検討する際、「任意保険」と「車両保険」の違いを正確に理解することが不可欠です。これらは補償する範囲が根本的に異なります。
任意保険の主な補償内容
任意保険は、自賠責保険だけではカバーしきれない損害を補うための保険です。主な補償内容は以下の通りです。
- 対人賠償保険:他人を死傷させてしまい、自賠責保険の上限額を超える損害賠償責任を負った場合に補償します。多くの保険会社で「無制限」に設定することが推奨されています。
- 対物賠償保険:他人の車や家、ガードレールなどを壊してしまった場合の損害賠償を補償します。これも「無制限」が一般的です。
- 搭乗者傷害保険/人身傷害補償保険:運転者自身や同乗者が死傷した場合の治療費などを補償します。
- 自損事故保険:単独事故で運転者自身が死傷した場合に補償します。
このように、任意保険の主な役割は「他人への賠償」と「自分や同乗者の身体への補償」です。自分のバイク本体の損害は、原則として補償範囲に含まれていません。
年齢別の任意保険料の目安
任意保険の保険料は、年齢や等級、補償内容によって大きく変動します。以下は、新規契約(6等級)の場合の一般的な年間保険料の目安です。
年齢条件 | 年間保険料の目安(対人・対物無制限など) |
---|---|
全年齢補償 | 60,000円~100,000円 |
21歳以上補償 | 30,000円~50,000円 |
26歳以上補償 | 20,000円~35,000円 |
30歳以上補償 | 18,000円~30,000円 |
車両保険は、この任意保険にさらに追加する形で加入するため、全体の保険料はこれよりも高額になります。両者の補償範囲の違いを理解し、自分に必要な補償を見極めることが賢明な保険選びの第一歩となります。
月々の維持費や年間費用への影響

ハーレーを所有するには、ガソリン代やメンテナンス費用、税金といった維持費がかかりますが、車両保険に加入すると保険料が上乗せされるため、年間の費用はさらに増加します。
車両保険の保険料は、バイクの購入金額(協定保険価額)を基準に算出されるのが一般的です。ハーレーは高価なモデルが多いため、保険料も高額になる傾向があります。例えば、SBI日本少額短期保険が提供するハーレー専用の「車両+盗難保険」を例に見てみましょう。
2019年式のXL883N(アイアン883)、購入金額135万円で試算した場合、補償範囲に応じた年間の保険料(一括払)は以下のようになります。
補償範囲 | 年間保険料(一括払)の例 |
---|---|
全損・半損・盗難 | 67,420円 |
全損・半損 | 44,605円 |
全損のみ | 24,220円 |
盗難のみ | 22,815円 |
このように、フルカバーのプランでは年間7万円近い追加費用が発生します。月々に換算すると約5,600円となり、決して小さな負担ではありません。
一方で、この保険料を「安心への投資」と捉えることもできます。万が一、135万円のバイクが盗難に遭ったり全損したりした場合の損失を考えれば、年間数万円の保険料でそのリスクを回避できるのは大きなメリットです。
自身の予算と、万が一の際に許容できるリスクの大きさを天秤にかけ、月々の維持費や年間費用に組み込める範囲で、最適な補償プランを選択することが求められます。
旧車も対象になる保険はあるのか

製造から年数が経過した「旧車」のハーレーは、その希少性から市場価値が高騰しているモデルも少なくありません。しかし、保険加入、特に車両保険となると、いくつかのハードルが存在します。
多くの保険会社では、車両保険の保険金額を「型式と年式に応じた市場価格(時価額)」を基準に設定します。このため、年式が古いバイクは時価額が低く評価され、十分な保険金額を設定できない、あるいは加入自体を断られるケースがあります。プレミア価値は、この時価額には反映されないことがほとんどです。
ただ、すべての保険会社が加入を拒否しているわけではありません。旧車オーナー向けの選択肢も存在します。
旧車に対応する保険の例
- SBI日本少額短期保険「HARLEY|車両+盗難保険™」:この保険の大きな特長は、年式を問わず、新車・中古車問わず加入できる点です。さらに、保険金額は購入時の価格を基準に設定され、経年による減価がありません。これにより、旧車であっても購入時の価値に基づいた補償を受けることが可能です。
- Chubb損害保険「クラシックカー保険」:製造から25年以上経過した二輪車も対象となる専門的な保険です。市場価格を考慮して車両保険金額を設定できるため、プレミア価値のある旧車に適しています。ただし、年間走行距離の制限(5,000km以内)などの条件があります。
- ZuttoRide「ずっとバイク車両保険」:こちらも年式や車種を問わず加入できますが、加入条件として「購入から90日以内」という期間が設定されている点に注意が必要です。
旧車のハーレーに車両保険をかける場合、一般的な通販型バイク保険では対応が難しいことが多いのが実情です。したがって、上記のような旧車の価値や特性を理解している専門的な保険商品を検討することが、有効な手段となります。
ハーレーの車両保険、入るべきか迷ったら商品を比較
- 話題のバイク保険ランキングを紹介
- アクサのハーレー保険の主な特長
- ZuttoRideの盗難・車両保険
- 加入前に見たいよくあるご質問
- 結論としてハーレーの車両保険は入るべきか?
話題のバイク保険ランキングを紹介

「どのバイク保険を選べば良いのか」と悩んだ際、バイク保険のランキングを参考にする方は多いと思います。ただし、ランキングは評価基準によって順位が変動するため、あくまで参考の一つとして捉えることが大切です。ここでは、ランキングで常に上位に名前が挙がる、多くのライダーから支持されている保険会社をいくつか紹介します。
これらの保険会社は、保険料の安さ、事故対応の評価、ロードサービスの充実度といった点で総合的に評価される傾向にあります。
- アクサダイレクト:特にハーレーオーナー向けの専用プランがあり、手厚いロードサービスで知られています。保険料もダイレクト型(通販型)のため、代理店型に比べて割安になることが多いです。
- 三井ダイレクト損保:ダイレクト型の中でも歴史があり、安定した人気を誇ります。インターネット割引や無事故割引など、保険料を抑えるための仕組みが充実しています。
- チューリッヒ保険:個々のニーズに合わせて補償内容を細かくカスタマイズできる点が魅力です。ロードサービスの質にも定評があります。
これらの保険会社は主に「任意保険」を提供しており、自分のバイクを守る「車両保険」はオプションであったり、取り扱いがなかったりします。ハーレーの車両保険を主眼に置く場合は、これらの任意保険と、後述するSBI日本少額短期保険やZuttoRideのような車両・盗難に特化した保険を組み合わせて検討するのが現実的な選択肢となります。
アクサのハーレー保険の主な特長

アクサダイレクトが提供する「HARLEY │ モーターサイクル保険™」は、その名の通りハーレーオーナーのために特化した任意バイク保険です。多くのライダーから支持される理由には、いくつかの明確な特長があります。
ハーレー正規ディーラーへの無制限レッカー移動
この保険の最大の魅力とも言えるのが、ロードサービスの充実度です。事故や故障でバイクが自力走行不能になった場合、最寄りのハーレーダビッドソン正規ディーラーまで、距離の制限なく無料でレッカー移動してくれます。旅先でのトラブルでも、専門知識を持つディーラーに愛車を任せられる安心感は非常に大きいです。
手厚いロードサイドサービス
レッカー移動だけでなく、現場での応急作業も手厚くカバーされています。
- バッテリー上がりの際のジャンピング作業
- ガス欠時の燃料補給(保険期間中1回まで無料)
- エンジンオイルや冷却水の補充
これらのサービスが無料で付帯するため、軽微なトラブルにも迅速に対応してもらえます。
宿泊・帰宅費用サービス
外出先でのトラブルで帰宅が困難になった場合、搭乗者全員分の宿泊費用(1泊まで)または帰宅するための交通費を補償してくれます。ペットを連れている場合は、ペットの宿泊費用までカバーされるなど、ライダーの状況に寄り添ったサービス内容となっています。
これらの手厚いサービスに加え、インターネット経由で申し込むことで最大10,000円の割引が適用されるなど、保険料の面でも魅力があります。ただし、これは任意保険であり、車両の盗難や破損を直接補償するものではない点には注意が必要です。
ZuttoRideの盗難・車両保険

ZuttoRide(ずっとライド)は、バイクの盗難保険や車両保険、ロードサービスを専門に扱う会社として、多くのライダーから高い信頼を得ています。特に、一般的な任意保険ではカバーしきれない領域に特化しているのが大きな特長です。
ZuttoRideのバイク盗難保険
ハーレーのような高級車にとって、盗難は最大のリスクの一つです。ZuttoRideの盗難保険は、このリスクに特化した補償を提供します。大きな魅力は、車両本体の盗難だけでなく、マフラーやサスペンションといったパーツのみの盗 nạnや、鍵穴へのいたずらまで補償対象となる点です。多くの保険では対象外となるこれらの被害をカバーしてくれるため、非常に心強い存在です。
ZuttoRideのずっとバイク車両保険
ZuttoRideは、任意保険とは別に単独で加入できる車両保険も提供しています。この保険は、自損事故や転倒によるバイクの損害を補償します。プランは、補償される損害の度合いに応じて複数用意されており、自身の予算や求める安心のレベルに合わせて選ぶことが可能です。
- 全損+分損ワイド:最も手厚いプラン。修理費用が協定保険価額の20%以上で保険金が支払われます。
- 全損+分損ミドル:修理費用が40%以上で支払い対象。
- 全損+分損スリム:修理費用が60%以上で支払い対象。
- 全損のみ:全損と認定された場合のみ補償。
任意保険の等級に影響を与えることなく保険金を受け取れる点も大きなメリットです。ただし、国産車に比べてハーレーなどの輸入車は保険料が割高になる傾向があるため、後述するハーレー専用保険と比較検討することが賢明です。
加入前に見たいよくあるご質問

ハーレーの車両保険を検討する上で、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。
- 車両保険を使ったら、任意保険の等級は下がりますか?
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いいえ、下がりません。SBI日本少額短期保険やZuttoRideが提供する単独加入型の車両保険は、任意保険とは別の契約です。そのため、車両保険を使っても任意保険のノンフリート等級には一切影響がなく、翌年度の任意保険料が上がる心配はありません。
- カスタムパーツも補償の対象になりますか?
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保険会社やプランによって異なります。SBI日本少額短期保険の「HARLEY|車両+盗難保険™」のように、カスタムに要したパーツやアクセサリー代金も購入金額に含めて補償の対象とする保険があります。一方、一般的な保険では、標準装備のパーツしか補償されない場合が多いため、加入前に補償範囲をしっかり確認することが大切です。
- 盗難保険と車両保険はどちらを優先すべきですか?
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一概には言えませんが、ご自身のバイクの保管状況や使用状況によって判断が分かれます。例えば、シャッター付きのガレージに保管し、防犯対策が万全であれば、盗難のリスクよりもツーリング中の転倒リスクの方が高いかもしれません。その場合は車両保険を優先する考え方もあります。逆に、屋外駐車場で盗難リスクが高いと感じるなら、盗難保険は必須と言えます。両方をカバーする一体型のプラン(SBIなど)も有力な選択肢です。
- かなり古い年式のハーレーでも加入できますか?
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前述の通り、一般的な保険では難しいことが多いですが、旧車に対応した専門的な保険であれば加入できる可能性は十分にあります。購入時の価格で補償されるSBI日本少額短期保険や、市場価格を評価してくれるChubb損害保険などが選択肢となります。加入条件は各社で異なるため、個別に問い合わせてみましょう。
結論としてハーレーの車両保険は入るべきか?

これまで解説してきた情報を基に、ハーレーの車両保険に加入すべきかどうかの最終的な判断基準をまとめます。
- 車両保険は自分のバイクの損害(破損・盗難)を補償する保険
- 自賠責保険や任意保険の基本プランでは自分のバイクは補償されない
- 未加入で全損や盗難に遭うと修理費やローン返済の負担が大きい
- 高価なハーレーは修理費用も高額になりがちなため必要性は高い
- 任意保険とは別契約の車両保険なら等級に影響はない
- 任意保険は「他人への賠償」と「自分のケガ」が中心
- 車両保険料はバイクの購入価格で決まり、ハーレーは高額になる傾向
- 保険料は年間の維持費に上乗せされるため予算との相談が不可欠
- 旧車の場合、一般的な保険は加入困難だが専門保険なら可能性がある
- アクサダイレクトはハーレー正規ディーラーへの無制限レッカーが魅力
- ZuttoRideはパーツ盗難や鍵穴いたずらまでカバーする点が特長
- SBIのハーレー専用保険は購入価格をずっと補償しカスタムパーツも対象
- 自分のリスク許容度(万一の際に自己負担できる金額)を見極める
- 保管状況(屋内ガレージか屋外か)で盗難リスクを判断する
- 最終的には「安心感」という価値にいくら支払えるかが判断の鍵となる