
ホンダが誇るスーパースポーツモデル、CBR250RR。
そのシャープなデザインと胸のすくような走行性能で、多くのライダーを魅了し続けています。しかし、いざ購入を検討し始めると、「CBR250RRの年式の違いがよくわからない…」という壁にぶつかる方も少なくないでしょう。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消するために、CBR250RRの年式ごとの違いを徹底的に掘り下げていきます。
伝説的な4気筒モデルから、現行モデルにおける前期と後期の違い、さらには歴代カラーの変遷まで、詳細な型式一覧を基に解説します。また、中古車選びで失敗しないためのポイントや、気になる2025年モデルの変更点は?という最新情報もお届けします。
購入後のリアルなイメージを掴むために、年間維持費はいくら?、満タンで何キロ走る?といった実用的な情報も網羅しました。
この記事を読めば、あなたにとってどの年式がおすすめなのか、そしてその年式の調べ方まで、すべてが明確になるはずです。
- 歴代モデル(4気筒から現行)までのスペックとデザインの変遷
- 中古車選びで失敗しないための年式ごとのチェックポイント
- 最新2025年モデルの注目すべき変更点
- 燃費や年間維持費など購入後のリアルな費用感
CBR250RRの年式による違いをモデル別に解説
- CBR250RRの型式一覧と基本情報
- 伝説の4気筒モデルMC22型とは?
- MC51型の前期・後期での違い
- CBR250RRの歴代カラーバリエーション
- 最新!CBR250RRの2025年モデルの変更点は?
CBR250RRの型式一覧と基本情報

CBR250RRの歴史は、大きく分けて2つの型式に分類されます。それが、1990年に登場したMC22型と、2017年に復活を遂げたMC51型です。同じ「CBR250RR」という名前を冠してはいますが、エンジン形式から装備まで、その中身は全くの別物と言っても過言ではありません。
MC22型は、当時のレーサーレプリカブームを象徴する250ccクラスでは非常に珍しい並列4気筒エンジンを搭載していました。一方、現行のMC51型は、現代の技術で新設計された並列2気筒エンジンを搭載し、電子制御技術なども積極的に採用されています。まずは、この2つの大きな違いを理解することが、年式選びの第一歩です。
言ってしまえば、名前が同じだけの別のバイクと捉えるのが分かりやすいかもしれません。MC22型は「古き良き時代のロマン」、MC51型は「現代技術の結晶」といったイメージですね。
項目 | MC22型 | MC51型 |
---|---|---|
販売期間 | 1990年~1994年 | 2017年~現在 |
エンジン形式 | 水冷4ストローク並列4気筒 DOHC | 水冷4ストローク並列2気筒 DOHC |
特徴 | 超高回転型エンジン、官能的なサウンド、丸目2灯ヘッドライト | スロットルバイワイヤ、ライディングモード、先進的な電子制御 |
中古市場での立ち位置 | プレミア価格、状態の良い個体は希少 | 年式や状態で価格が変動、選択肢が豊富 |
伝説の4気筒モデルMC22型とは?

1990年に登場したCBR250RR(MC22型)は、今なお多くのファンから「ニダボ」の愛称で親しまれる伝説的なモデルです。このバイクが伝説と称される最大の理由は、そのエンジンにあります。
搭載されているのは、水冷4ストローク並列4気筒DOHCエンジン。レッドゾーンが19,000rpmからという、現代のバイクでは考えられないほどの超高回転型エンジンです。アクセルを捻れば、まるでF1マシンのような甲高いエキゾーストノートを奏で、多くのライダーを虜にしました。これは、当時のレースシーンの技術を惜しみなく市販車にフィードバックしていた、レーサーレプリカブームの時代だからこそ生まれた一台と言えるでしょう。
また、特徴的な丸目2灯のヘッドライトや、「ガルアーム」と呼ばれる湾曲したスイングアームなど、デザイン面でも独自の魅力を放っています。
MC22型を選ぶ際の注意点
MC22型は最終年式でも1994年と、製造から30年以上が経過しています。そのため、純正部品の入手が困難であったり、経年劣化によるトラブルのリスクは避けられません。購入を検討する場合は、信頼できるショップでメンテナンス履歴がしっかりしている車両を選ぶことが非常に重要です。
MC51型の前期・後期での違い

2017年に華々しく復活したCBR250RR(MC51型)は、時代に合わせて大きな進化を遂げています。特に、数回のマイナーチェンジを経ており、その内容は「前期」「後期」と一括りにはできないほど多岐にわたります。ここでは、主な変更点を3つのフェーズに分けて解説します。
フェーズ1:初期型(2017年~2019年モデル)
クラス最高レベルの38馬力を発揮するエンジン、250ccクラス初のスロットルバイワイヤシステム、3つのライディングモード選択機能など、登場時から非常に高いスペックを誇っていました。デザインもエッジの効いた現代的なもので、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の有無を選択できたのが特徴です。
フェーズ2:中期型(2020年~2022年モデル)
このモデルチェンジは、CBR250RRの魅力をさらに高める重要なアップデートとなりました。
2020年モデルの主な変更点
- 出力向上:ピストンなどの見直しにより、最高出力が3馬力アップの41馬力に。
- アシスト&スリッパークラッチ採用:クラッチ操作が軽くなり、急なシフトダウン時の後輪ホッピングを抑制。街乗りからスポーツ走行まで快適性が向上しました。
- クイックシフター(オプション):クラッチ操作なしでシフトアップ/ダウンが可能になるオプションが設定されました。
- ABS標準装備化:このモデルからABSが標準装備となりました。
フェーズ3:現行型(2023年モデル~)
最新の排出ガス規制に対応しつつ、さらなるパフォーマンスと安全性を手に入れたのが現行モデルです。
エンジンはシリンダーヘッドなどを改良し、最高出力はさらに1馬力アップの42馬力に到達。しかし、このモデルチェンジの真価はパワーよりもむしろ足回りと電子制御にあります。
フロントフォークには、大排気量モデルにも採用されるショーワ製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)倒立フォークを新採用。これにより、路面追従性が格段に向上し、ブレーキ時の安定感やコーナリングの安心感が飛躍的に高まりました。さらに、ホンダセレクタブルトルクコントロール(トラクションコントロール)も新たに搭載され、滑りやすい路面などでのスリップを抑制し、安全性が大幅に向上しています。
年式 | 最高出力 | 主な追加・変更装備 |
---|---|---|
2017-2019 | 38ps | スロットルバイワイヤ、ライディングモード |
2020-2022 | 41ps | アシスト&スリッパークラッチ、クイックシフター(OP) |
2023- | 42ps | SFF-BPフロントフォーク、トラクションコントロール、新カウル |
CBR250RRの歴代カラーバリエーション

CBR250RRは、その性能だけでなく、魅力的なカラーリングも人気の理由の一つです。年式ごとに様々なカラーが設定され、ライダーの個性を演出してきました。
初期型(2017年)では、精悍な「マットガンパウダーブラックメタリック」やホンダのレーシングスピリットを象徴する「ヴィクトリーレッド」などがラインナップ。2019年には、Team HRCのワークスマシン「CBR1000RRW」のカラーリングをまとった「グランプリレッド(ストライプ)」が登場し、大きな話題を呼びました。
2020年のマイナーチェンジでは、足元のゴールドホイールが標準装備となり、より一層の高級感をまといます。2023年モデルでは、カウル形状の変更に合わせてカラーリングも一新され、「マットバリスティックブラックメタリック」「パールグレアホワイト」「グランプリレッド」の3色が展開されました。
このように、カラーリングは年式を判断する上での重要な手がかりの一つです。特に中古車を探す際は、気に入ったカラーがどの年式のモデルなのかを事前に調べておくと、効率的に探すことができます。
最新!CBR250RRの2025年モデルの変更点は?

ファンの間で常に注目される最新モデルですが、2025年モデルのCBR250RRは、カラーリングの一新が主な変更点となります。
2023年モデルでエンジンや足回り、電子制御といった主要部分が大幅にアップデートされたこともあり、2025年モデルではメカニズムに関する変更はありません。つまり、最高出力42馬力のエンジンやSFF-BP倒立フォーク、トラクションコントロールといった高性能なスペックはそのまま継承されています。
2025年モデルの新カラーラインナップ
- マットビュレットシルバー:シャープなスタイリングを強調する、力強い印象のシルバー。
- パールグレアホワイト:CBRシリーズの伝統的なイメージを持たせた、上品なホワイト。
- グランプリレッド:ホンダのレーシングイメージを前面に押し出した、情熱的なトリコロールカラー。
性能は既に完成の域に達しているため、今回はカラーチェンジによって新たな魅力を付加した形です。これから新車を購入する方は、この新しい3色の中から選ぶことになります。
購入前に知りたいCBR250RRの年式による違い
- CBR250RRの中古車選びのポイント
- 自分に合った年式のおすすめは?
- 車体番号での年式の調べ方
- CBR250RRは満タンで何キロ走る?
- CBR250RRの年間維持費はいくら?
- まとめ:CBR250RRの年式の違いを理解しよう
CBR250RRの中古車選びのポイント

CBR250RRを中古で探す際には、年式ごとの特徴を理解しておくことが後悔しないための鍵となります。価格だけで判断せず、車両の状態や装備をしっかりチェックしましょう。
まず大前提として、前述の通りMC22型とMC51型は全くの別物です。MC22型を探す場合は、年式の古さからくるコンディションの個体差が非常に大きいことを念頭に置く必要があります。一方、MC51型は比較的新しいモデルが多いですが、走行距離や転倒歴の有無は必ず確認したいポイントです。
特にMC51型で注目したいのが、2020年モデル以降に標準装備となったアシスト&スリッパークラッチの有無です。街乗りやツーリングでの快適性に大きく影響するので、一つの判断基準になりますよ。
データベースによると、MC51型の中古相場は45万円~70万円ほどで、走行距離が伸びても価格が落ちづらい傾向にあります。これは、根強い人気がある証拠と言えるでしょう。中古車を選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてみてください。
中古車チェックリスト
- 予算と年式のバランス:どの装備(スリッパークラッチ、トラコン等)が欲しいかを明確にする。
- 走行距離:年式相応か、極端に少ない・多い場合は理由を確認。
- 外装の状態:カウルの傷や割れは転倒歴を示唆します。特に先端部分(レバー、ステップ、マフラー)は要チェック。
- 消耗品の残量:タイヤやブレーキパッド、チェーンなどの状態も確認しましょう。交換時期が近いと、購入後すぐに出費が発生します。
- 修復歴の有無:販売店に必ず確認してください。
自分に合った年式のおすすめは?

「結局、どの年式を選べばいいの?」という疑問にお答えします。あなたのバイクライフのスタイルによって、おすすめのモデルは変わってきます。
とにかくロマンとサウンドを求めるなら:MC22型
唯一無二の4気筒サウンドと、古き良きレーサーレプリカの雰囲気を味わいたいなら、MC22型一択です。メンテナンスの手間やコストは覚悟する必要がありますが、それ以上の満足感を得られるでしょう。
コストを抑えつつ現行の走りを楽しみたいなら:MC51型(2017~2019年)
現行モデルのスタイリングや基本的な走行性能を、最もリーズナブルに手に入れたい方におすすめです。ABS非搭載モデルを選べば、さらに価格を抑えられる可能性があります。
街乗りやツーリングの快適性を重視するなら:MC51型(2020~2022年)
アシスト&スリッパークラッチがもたらす恩恵は絶大です。クラッチ操作の負担が軽減されるため、渋滞や長距離走行での疲労が大きく変わってきます。41馬力へのパワーアップもあり、非常にバランスの取れたモデルです。
最新・最高の性能と安全性を求めるなら:MC51型(2023年~)
SFF-BPフォークによる上質な乗り心地と、トラクションコントロールによる安心感は、一度味わうと戻れません。サーキット走行まで視野に入れる本格派の方はもちろん、公道での安全性を最大限に高めたい初心者の方にも最もおすすめできるモデルです。
車体番号での年式の調べ方

中古車を購入する際や、自分のバイクの正確な年式を知りたいときに役立つのが車体番号(フレームナンバー)です。CBR250RRの場合、車体番号はハンドルの付け根あたりにあるフレームのヘッドパイプ部分に刻印されています。
この車体番号を基に、より詳細な情報を得ることができます。
- 販売店に確認する:最も確実で手軽な方法です。中古車の場合は、車両情報として記載されていることがほとんどです。
- 書類を確認する:車検証や軽自動車届出済証には、車台番号が記載されています。
- メーカーサイト等で調べる:ホンダの公式サイトや、一部のバイク情報サイトでは、車体番号からリコール対象かどうかなどを調べることができ、その過程で大まかなモデルイヤーが判明することもあります。ホンダの公式サイトはコチラ
個人情報としての取り扱い。車体番号は、その車両を特定するための重要な情報です。インターネット上で安易に公開したりしないよう、取り扱いには十分注意してください。
CBR250RRは満タンで何キロ走る?

スーパースポーツモデルといえど、ツーリングなどでの航続距離は気になるところです。CBR250RRの燃料タンク容量は、モデルによって少し異なります。一般的に、MC22型は13L、現行のMC51型は14Lと、このクラスとしては十分な容量を確保しています。
ここでは、情報が豊富な現行のMC51型を基準に燃費性能と航続距離を見てみましょう。乗り方や環境によって大きく変動しますが、一つの目安として、インプットしたデータベースの情報を参考にします。
- WMTCモード値(2023年モデル):27.1km/L
- 試乗インプレッションでの実測値:28.7km/L(高速5割、一般道5割)
これらの数値を基に、MC51型の満タンでの航続距離を計算してみると…
14L × 28.7km/L = 約401km
という計算になります。もちろん、これはあくまで理想的な条件下での目安であり、市街地でのストップ&ゴーが多い場合や、高回転域を多用するスポーツ走行では燃費は低下します。それでも、無給油で300km以上のツーリングは十分に可能なレベルと言えるでしょう。
CBR250RRの年間維持費はいくら?

バイクを所有する上で、購入費用と同じくらい重要なのが年間の維持費です。CBR250RRは250cc(軽二輪)クラスなので、車検がなく、維持費を比較的安く抑えられるのが魅力です。主な維持費の内訳は以下の通りです。
費用項目 | 金額(年間) | 備考 |
---|---|---|
軽自動車税 | 3,600円 | 毎年4月1日時点の所有者に課税 |
自賠責保険 | 約3,000~4,000円 | 24ヶ月契約の場合の1年あたりの金額。契約期間で変動。 |
任意保険 | 約20,000~80,000円 | 年齢、等級、補償内容で大きく変動。若年層は高くなる傾向。 |
ガソリン代 | 約28,000円 | 年間3,000km走行、燃費27km/L、ガソリン代170円/Lで計算 |
メンテナンス費用 | 約20,000~50,000円 | オイル交換(年2回)、タイヤ・ブレーキ等の消耗品交換費用。年式や走行距離による。 |
合計 | 約74,600~165,600円 | 駐車場代は別途必要 |
このように、任意保険の条件やメンテナンスの内容によって大きく変動しますが、年間でおおよそ7.5万円~17万円程度を見ておくと良いでしょう。特に任意保険は、万が一の事故に備えて非常に重要なので、補償内容をしっかり検討して加入することをおすすめします。
まとめ:CBR250RRの年式の違いを理解しよう
今回は、CBR250RRの年式ごとの違いについて、歴代モデルから最新情報、維持費に至るまで詳しく解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをリストで振り返ってみましょう。
- CBR250RRには伝説の4気筒モデルMC22型と現行の2気筒モデルMC51型がある
- MC22型は超高回転サウンドが魅力だが旧車ゆえの注意点も多い
- MC51型は2020年と2023年に大きな性能向上のアップデートがあった
- 2020年モデルからはアシスト&スリッパークラッチが標準装備され快適性が向上
- 2023年モデルからはSFF-BPフォークとトラコンが搭載され安全性と乗り心地が向上
- 最高出力は38ps(初期型)→41ps(中期型)→42ps(現行型)と進化している
- 2025年モデルの変更点はスペック据え置きでカラーリングの一新がメイン
- 中古車選びは年式ごとの装備の違いを理解することが重要
- 自分のライディングスタイルに合わせておすすめの年式は異なる
- コスト重視なら初期型、快適性なら中期型、最高の性能なら現行型が選択肢
- 車体番号はフレームのヘッドパイプ部分に刻印されている
- 満タン航続距離の目安はMC51型で約300km~400km程度
- 250ccクラスなので車検がなく年間維持費は比較的リーズナブル
- 年間維持費は任意保険やメンテナンス内容により約7.5万円から17万円が目安
- 年式ごとの違いを正しく理解し自分に最適な一台を見つけることが満足への近道