トライアンフはどこの国?歴史から人気モデルまで徹底解説

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トライアンフはどこの国?歴史から人気モデルまで徹底解説
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

「独特でスタイリッシュなバイク、トライアンフはどこの国のメーカーなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。

トライアンフの豊かな歴史を紐解くと、そこにはブランドを象徴するボンネビルや数々の魅力的な歴代モデルの物語があります。

また、バイクファンの中には自動車部門に存在した名車TR4を思い浮かべる方もいるかもしれません。

一方で、現在の経営体制、例えば親会社の有無や、トライアンフはどこの傘下?といった疑問も浮かびます。さらに、トライアンフはどこで生産されている?、心臓部であるエンジンはどこ製?といった製造背景、そして一度は倒産したブランドを復活させた日本製の技術との関わりなど、知れば知るほど興味は尽きません。

最近では待望の400ccクラスが登場し、新たなファン層を獲得しています。

この記事では、トライアンフで1番人気なのは?という疑問から、その深い魅力の全てを徹底的に解説します。

この記事でわかること
  • トライアンフの国籍と130年以上にわたる歴史がわかる
  • 親会社の有無や現在の生産体制に関する疑問が解決する
  • ボンネビルや最新400ccなど人気モデルの特徴を理解できる
  • 英国ブランドならではの魅力と独自の経営戦略がわかる
目次

トライアンフはどこの国?その歴史と特徴

  • 130年を超えるトライアンフの歴史
  • トライアンフはどこの傘下にも属さない
  • 現在の親会社と独自の経営戦略
  • 日本の技術が復活の鍵を握る
  • 黄金期を築いた名車ボンネビル

130年を超えるトライアンフの歴史

130年を超えるトライアンフの歴史
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

トライアンフは、130年以上の非常に長い歴史を持つイギリスのオートバイメーカーです。

その起源は1885年、ドイツ出身のジークフリード・ベットマンがロンドンで設立した貿易会社にまで遡ります。

当初は自転車を扱っていましたが、時代の流れとともにオートバイ製造へと進出しました。

1902年には記念すべき第1号車を生産し、その後は第一次世界大戦で軍用車「モデルH」を供給するなど、その名を着実に広めていきます。

しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

波乱万丈の歩み

トライアンフの歴史は、まさに波乱万丈です。

世界恐慌による業績悪化、第二次世界大戦中のドイツ軍による工場壊滅、そして戦後の黄金期を経て、1970年代には経営が悪化します。

一度は倒産の憂き目に遭いますが、1983年に実業家ジョン・ブルーアが商標権を買い取り、ブランドは見事に復活への道を歩み始めました。

こうした紆余曲折の歴史が、トライアンフというブランドに深い物語性を与えています。

幾度もの困難を乗り越え、不死鳥のように蘇ったからこそ、現在のトライアンフは世界中のライダーから熱狂的な支持を集めているのです。

トライアンフはどこの傘下にも属さない

トライアンフはどこの傘下にも属さない
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

現在のトライアンフは、特定の巨大自動車メーカーや企業グループの傘下には属さない、独立した資本の企業です。

これは、現代のバイク業界においては比較的珍しい経営形態といえるでしょう。

過去には、イギリス最大のバイクメーカー連合であったBSAグループの傘下に入っていた時期(1951年~)や、政府の介入によりノートンなどと合併して「NVT」となった時代(1973年~)もありました。

しかし、前述の通り、ジョン・ブルーアによる再建以降、トライアンフは独立したメーカーとしての道を歩んでいます。

独立資本であることの強み

独立を維持することで、トライアンフは外部の資本に左右されることなく、迅速かつ柔軟な意思決定が可能になります。

これにより、「トライアンフらしさ」を追求したユニークなモデル開発や、独自のグローバル戦略をスピーディーに展開できるのです。

この経営方針が、今日の成功の大きな要因となっています。

現在の親会社と独自の経営戦略

現在の親会社と独自の経営戦略
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

前述の通り、現在のトライアンフに親会社は存在しません。

しかし、完全に独力だけで経営しているわけではなく、非常に巧みで「したたか」とも言えるグローバルな経営戦略をとっています。

その代表例が、インドの巨大バイクメーカー「バジャージ・オート」との戦略的パートナーシップです。

この提携のポイントは、お互いの株式を持ち合う資本提携ではなく、あくまで協力関係にあるという点になります。

【提携における両社の役割】

トライアンフ:長年培ってきたブランド力、デザイン、大排気量バイクの設計ノウハウを提供します。

バジャージ・オート:世界有数の生産能力と、巨大なインド市場での販売網を提供します。

このように、トライアンフは自社の強みを最大限に活かしつつ、過大な設備投資のリスクを負うことなく、効率的に新型モデルを開発・生産する体制を築いているのです。

自社ブランドの価値を高く保ちながら実利を得ていく、まさに英国企業らしい知的な戦略と言えるでしょう。

日本の技術が復活の鍵を握る

日本製のが復活の鍵を握る
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

1980年代に一度倒産したトライアンフが、1990年代に見事な復活を遂げた背景には、日本のバイクメーカーが培った技術が大きく貢献しています。

ブランドを再建したジョン・ブルーアは、当時の英国の技術だけでは高性能な日本製バイクには太刀打ちできないと冷静に判断しました。

そこで、新たなトライアンフのバイクを開発するにあたり、日本のバイク、特にカワサキの技術や生産方式を徹底的に研究したのです。

モジュラーコンセプトの導入

新生トライアンフが初期に採用したのが「モジュラーコンセプト」です。

これは、エンジンやフレームなどの基本部品(モジュール)を共通化し、それらを組み合わせることで効率的に多様な車種を生み出す生産方式でした。

この手法により、開発コストを抑えながら、信頼性の高い水冷3気筒・4気筒エンジンを搭載したラインナップを短期間で市場に投入することに成功したのです。

日本の優れた技術と生産管理の手法を柔軟に取り入れたことが、トライアンフ復活の大きな原動力となりました。

黄金期を築いた名車ボンネビル

黄金期を築いた名車ボンネビル
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

トライアンフの歴史を語る上で、「ボンネビル」という名のバイクを欠かすことはできません。

このモデルは、トライアンフの黄金期を象徴するだけでなく、現在に至るまでブランドのアイコンとして輝き続ける伝説的な名車です。

初代「T120 ボンネビル」が登場したのは1959年。

その名前は、アメリカのユタ州にある「ボンネビル・ソルトフラッツ」で、トライアンフのエンジンを積んだストリームライナーがオートバイの地上最高速記録を樹立したことに由来します。

アメリカ市場での成功

当時、アメリカ市場はハーレーダビッドソンのような重厚なバイクが主流でした。

しかし、ボンネビルはそれらとは対照的に軽量でスポーティーな乗り味が特徴で、この「ブリティッシュ・ツイン」の魅力がアメリカの若者たちを熱狂させました。

マーロン・ブランドやスティーブ・マックイーンといった映画スターが愛用したことも、その人気を不動のものとしました。

このボンネビルの大成功が、トライアンフを世界的なブランドへと押し上げたのです。

2001年には新生トライアンフによって空冷2気筒エンジンを搭載した現代版ボンネビルが復活し、現在も「モダンクラシック」シリーズの中核として高い人気を誇っています。

生産拠点から探るトライアンフはどこの国か

  • トライアンフはどこで生産されているのか?
  • トライアンフのエンジンはどこ製?
  • 注目を集める新型400ccモデル
  • トライアンフで1番人気なのはどのモデル?
  • 偉大な歴代モデルと名車TR4

トライアンフはどこで生産されているのか?

トライアンフはどこで生産されているのか?
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

トライアンフのバイクがどこで生産されているかを知ることは、ブランドのグローバルな性格を理解する上で重要です。

結論から言うと、現在の生産体制はイギリスとタイの2カ国が中心となっています。

全てのモデルの設計、開発、プロトタイプの製作といった中枢機能は、イギリスのレスターシャー州ヒンクレーにある本社が担っています。

まさに、トライアンフの頭脳と言える場所です。

グローバル生産の拠点「タイ工場」

一方、実際の車両生産の大部分を担っているのが、タイにある大規模な自社工場です。

ここでは鋳造から塗装、組立までを一貫して行っており、世界中に出荷されるトライアンフのバイクが製造されています。

品質管理はヒンクレー本社が厳格に行っており、イギリス製とタイ製で品質に差はありません。

その他の生産拠点

タイ工場の他に、インドとブラジルにも現地市場向けの組立工場(ノックダウン生産工場)が存在します。

これは部品を輸入し、現地で組み立てる方式の工場です。

このように生産拠点を分散させることで、トライアンフは世界各国の需要に効率良く対応しています。

このように研究開発とTFC(ファクトリーカスタム)など少量生産の特別モデルをイギリスが、主要な量産モデルの生産をタイが担うという、グローバルな分業体制が現在のトライアンフを支えているのです。

トライアンフのエンジンはどこ製?

トライアンフのエンジンはどこ製?
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

トライアンフの魅力の核となるエンジン。

その製造場所についても、基本的には車両本体と同じ体制がとられています。

つまり、エンジンの設計・開発はイギリスのヒンクレー本社で行われ、その後の量産は主にタイの自社工場が担っています。

トライアンフの象徴であるバーチカルツイン(並列2気筒)やトリプル(3気筒)エンジンは、英国の技術者たちの手によって生み出されているのです。

世界最高峰のレースで証明される技術力

トライアンフのエンジン技術の高さを最もよく示しているのが、ロードレース世界選手権「Moto2」クラスへのワンメイクエンジン供給です。

2019年から、全チームがトライアンフ製の765cc・3気筒エンジンを使用しています。

このレース用エンジンもイギリス本社で開発・チューニングされており、世界最高峰の舞台でその性能と信頼性が証明されています。

市販車に搭載されるエンジンにも、このレースで培われた技術がフィードバックされているのです。(参照:トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン公式サイト

このように、トライアンフのエンジンは、英国の魂と設計思想を受け継ぎつつ、グローバルな生産体制のもとで製造されています。

注目を集める新型400ccモデル

注目を集める新型400ccモデル
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

近年、トライアンフが大きな注目を集めているのが、新たにラインナップに加わった400ccクラスのモデルです。

具体的には、「スピード400」と「スクランブラー400X」の2車種が市場に投入されました。

これらのモデルは、これまで大排気量車が中心だったトライアンフにとって、新たな顧客層を開拓するための重要な戦略的モデルと位置づけられています。

普通自動二輪免許で乗れるトライアンフが登場したことで、これまで憧れだったけれど手が出せなかった、というライダーにも門戸が大きく開かれました。

この400ccモデルの実現には、前述したインドのバジャージ・オートとのパートナーシップが大きく関わっています。

トライアンフが設計・開発を行い、バジャージが生産を担うことで、トライアンフならではのデザインや品質感を保ちながら、戦略的な価格設定を可能にしました。

水冷単気筒の「TRシリーズ」と名付けられた新開発エンジンを搭載し、走りも本格的です。

この400ccモデルの登場は、トライアンフの未来にとって非常に大きな一歩と言えるでしょう。

トライアンフで1番人気なのはどのモデル?

トライアンフで1番人気なのはどのモデル?
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

「トライアンフで一番人気なのは?」という問いに対する答えは、国や地域によって少し異なりますが、日本では「モダンクラシック」シリーズが特に高い人気を誇っています。

このシリーズは、伝統的なスタイルと現代的な走行性能を見事に融合させているのが特徴です。

主に、以下の3つのカテゴリーが人気を分け合っています。

カテゴリ代表モデル特徴
モダンクラシックボンネビル T100/T120、スラクストン、スクランブラーブランドの象徴的なスタイルを持つシリーズ。扱いやすさとファッション性で幅広い層から支持されています。
ロードスタースピードトリプル、ストリートトリプル特徴的な3気筒エンジンを搭載したネイキッドスポーツ。独特の鼓動感とパワフルな走りで人気です。
アドベンチャータイガーシリーズ長距離ツーリングでの快適性とオフロード走破性を両立。大排気量アドベンチャー市場で確固たる地位を築いています。

中でも、やはりブランドの原点であるボンネビルシリーズは、世代を問わず根強い人気があります。一方で、Moto2エンジンのベースとなったストリートトリプルなど、走りを重視するライダーからはロードスターシリーズが絶大な支持を受けています。

偉大な歴代モデルと名車TR4

偉大な歴代モデルと名車TR4
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

トライアンフは、その長い歴史の中で数多くの偉大なモデルを世に送り出してきました。

これらのバイクが、今日のブランドイメージを築き上げてきたと言っても過言ではありません。

バイク史に残る傑作たち

  • スピードツイン:1938年に登場。現代に続く並列2気筒エンジンの基本形を確立した、歴史的なモデルです。
  • サンダーバード:1949年登場。ボンネビルのベースともなったモデルで、アメリカ市場開拓の立役者となりました。
  • トライデント:1968年登場。高性能な並列3気筒エンジンを搭載し、後のスーパーバイクの先駆けとなりました。
  • デイトナ:レースシーンで活躍したスーパースポーツモデル。特に675ccの3気筒エンジンを搭載したモデルは高い評価を受けました。

【豆知識】トライアンフ「TR4」の正体

「トライアンフ TR4」という名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし、これはバイクのモデル名ではありません。

実は、トライアンフはかつて自動車部門も持っていましたが、1936年にオートバイ部門とは別の「トライアンフ・モーター・カンパニー」として分社化されました。

この自動車会社が1961年に発売した2シーターのオープンカーが「TR4」なのです。

そのため、バイクメーカーとしてのトライアンフと直接的な関係はありませんが、同じ「トライアンフ」の名を持つ英国の名車として、今なお多くのファンに愛されています。

まとめ:トライアンフはどこの国のメーカーか?

まとめ:トライアンフはどこの国のメーカーか?
イメージ:ラグジュアリー・モーターサイクル

この記事では、「トライアンフはどこの国か?」という疑問を軸に、その歴史から生産体制、人気モデルまでを詳しく解説しました。

最後に、本記事の要点をまとめます。

  • トライアンフはイギリス発祥のバイクメーカー
  • 創業は1885年で130年以上の歴史を持つ
  • 現在は特定の親会社を持たない独立資本の企業
  • 過去にはBSAグループの傘下だった時代もある
  • ブランド復活には日本の技術が大きく貢献した
  • 設計開発の中枢はイギリスのヒンクレー本社
  • 主要な生産拠点はイギリスとタイの自社工場
  • インドのバジャージ社と戦略的パートナーシップを締結
  • エンジンもイギリスで設計されタイで主に製造される
  • Moto2クラスにワンメイクエンジンを供給している
  • ブランドの象徴はボンネビルシリーズ
  • 近年400ccクラスに参入し人気を集めている
  • 日本ではモダンクラシックシリーズの人気が高い
  • TR4は分社化した自動車メーカーのモデル
  • したたかなグローバル戦略で成長を続けている
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この記事を書いた人

ハーレーとドゥカティをこよなく愛するベテランライダー。ベテランだからこその視点でバイクに関する情報を深堀しています。

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