
こんにちは、ラグジュアリー・モーターサイクルのヤラです。
ガレージでファットボーイを磨いていると、やっぱり格好いいんですよ。手放すまでに「もう少し持っていよう」と何度思ったか、自分でも数えきれません。
ただ当時は、ほかのバイクに乗る機会が増えていて、ファットボーイは眺める時間のほうが長くなっていました。それでも税金や保険料の請求は、乗った回数とは関係なくやってきます。
好きで買ったはずのハーレーなのに、持ち続けること自体が少しずつ重たくなっていく。あなたも今、同じところで立ち止まっているのかもしれません。
ここでは、私が売るか残すかを決めるまでに考えたことを軸に、ハーレーを降りる人が挙げがちな7つの理由を見ていきます。最初の買取店より18万円高く売れた査定の受け方も、隠さずお伝えしますね。
ひと通り読めば、今のあなたにとって「売る」と「残す」のどちらが自然か、自分の言葉で説明できるようになるはずです。
- ハーレーを降りる人が挙げがちな7つの理由
- 売るか残すかを決める4つの物差し
- 手放す前に試したい費用と重さの対策
- 損をしない売りどきと査定の受け方
ハーレーを手放す理由はこの7つが多い
オーナー仲間の話や掲示板、SNSの書き込みを読み比べていくと、ハーレーを降りるきっかけはおおむね7つのパターンに集まってきます。
ただ、どの理由がどれくらいの割合なのかを示した公的なデータはありません。あくまで傾向として受け取ってください。
面白いのは、たった一つの理由で売る人が案外少ないこと。二つ三つと重なったところで、ようやく腰を上げる人がほとんどなんです。
維持費やローンの負担が重くなった
真っ先に挙がるのは、やはりお金のことでしょう。ハーレーは買うときだけでなく、ガレージに置いておくだけで出ていくお金がなかなかの額になります。
整備をショップや正規ディーラーに任せるなら、年間の維持費は15万〜30万円ほどが一つの目安。月極ガレージや手厚い車両保険まで足すと、40万円を超える人も珍しくありません。
| 費用 | 金額の目安 | 支払う時期 |
|---|---|---|
| 軽自動車税 | 年6,000円 | 4月1日時点の持ち主に毎年 |
| 任意保険 | 年2万〜8万円 | 年1回または月払い |
| 車検(ディーラー) | 7万〜15万円 | 2年ごと |
| オイル交換(店に依頼) | 1回1.5万〜2万円 | 走行距離に応じて |
| タイヤ交換(前後) | 5万〜10万円 | 1万〜1.5万kmごと |
| 月極ガレージ | 月5,000〜2万円 | 借りる場合のみ |
ハーレーは、エンジン、プライマリー、ミッションの3種類のオイルを別々に管理します(スポーツスターは2種類)。
国産の大型バイクより維持費が1.2〜1.5倍ほどに膨らみやすいと言われるのも、こうした部品代や工賃の差があるからでしょう。
ここに改造の費用が乗ってくると、金額は一気にふくらみます。音を変えたい、座り心地を良くしたいと少しずつ手を入れた結果、合計を見て青ざめた…という話は、オーナー同士の定番ネタです。
長いローンや残価設定ローンで買った人は、もっと切実かもしれません。最終回にまとまったお金が必要になり、払えずに手放すケースも耳にします。
長いローンで買うと、売りたくなったときに残りのローンが買取額を上回ることがあります。月々の支払いの軽さだけで決めないことが大切です。
生活が変わって乗る回数が減った
子どもが生まれた、仕事の責任が増えた、親の通院に付き添うようになった。暮らしの中の優先順位が入れ替わると、バイクの出番は真っ先に削られていきます。
「週末しか乗れない」が「3か月エンジンをかけていない」になり、やがて「半年動かしていない」に変わる。こうなると、乗らないのに費用だけ払っている感覚がふくらんでいくんです。
家族が増えて、万が一の事故で心配をかけたくないと考えるようになった人もいます。バイクへの愛情は少しも減っていないのに、降りる理由だけが増えていく。なんとももどかしい話です。
動かさない期間は、車体にとってもありがたくありません。バッテリーの放電、タイヤのひび割れ、燃料の劣化が少しずつ進んでいきます。
いざ出かけようとした朝に、セルが沈黙する。そんな肩透かしをきっかけに、気持ちが離れてしまう人もいます。
ハーレーはキーを切っていても、セキュリティなどが少しずつ電気を使い続けます。新品のバッテリーでも1か月ほど放っておくと、セルが回らなくなることがあるほどです。
重い車体の出し入れがつらくなった

意外かもしれませんが、走行中に重さで困る場面はそう多くありません。本当に骨が折れるのは、エンジンを止めて自分の腕で車体を支えるときなんです。
スポーツスター系で220〜260kgほど、ソフテイル系で300kg前後、大きなツーリングモデルなら380〜400kg近くあります。国産1000ccのスーパースポーツと比べると、2倍近い重さです。
家の前の段差を越える、斜めの駐車場から後ろ向きに引き出す、行き止まりで向きを変える。休みの朝にこうした手順を思い浮かべただけで、出かける気力がしぼんでしまう人もいます。
年を重ねるほど、この重さは無視できなくなるもの。信号待ちで足を着く瞬間に緊張する、長く走ると腰が痛む、渋滞でクラッチを握る左手がしびれる。どれも仲間内でよく聞く声です。
バイクの免許に年齢の上限はなく、90代でロードキングを走らせていた人の話もあります。
とはいえ、仲間を見渡すと60代から70代前半で重いバイクを降りる人が多いのも事実。62歳の私にとっても、他人事ではありません。
暑さや乗り味が理想と違った
憧れて手に入れたものの、暮らしの中で付き合ってみると想像とずいぶん違った。これも降りる人の口からよく出てくる話です。
代表的なのが夏の熱。広いアメリカの道を風に当たりながら走る前提の空冷Vツインは、日本の蒸し暑い夏や信号の多い街中が苦手なんです。
渋滞にはまると、エンジンの熱で内ももが焼けるように熱くなります。夏は「乗れない季節」になり、そのまま気持ちまで冷めてしまう人も少なくありません。
走りの性格も、好き嫌いがはっきり出るところ。加速の鋭さやコーナーでの身軽さを求める人にとって、どっしり構えたハーレーの乗り味はもどかしく感じられるかもしれません。
1年目はカスタムに夢中、2年目に行きたい場所をひと通り回り、3年目の初回車検で「この先も払い続けるか」と立ち止まる。オーナーの間で「魔の3年」と呼ばれる流れです。
大きな排気音や、集団で走るマスツーリングに向けられる世間の目が気になって降りた人もいます。自分は静かに乗っていても、同じ目で見られるのはつらいものです。
壊れたら誰に頼むか不安になった
「ハーレーは壊れやすい」という声は、昔からよく聞きます。ただ、メーカー同士で故障の多さを比べた国内の確かなデータは見当たりません。
一方で、振動と熱の大きい空冷Vツインに、ボルトの緩みやオイルのにじみ、電装の不調がつきものなのも確かです。
修理代も気になりますよね。軽いオイル漏れなら数千円から数万円で済む一方、エンジンを分解する修理になると10万〜20万円を超えることもあります。
持っている車両にリコールが届け出られていないかは、国のサイトで車台番号から調べられます。気になる人は一度のぞいてみてください(出典:国土交通省『自動車のリコール・不具合情報』)。
もう一つ見逃せないのが、整備を頼める店の問題。近年は正規販売店の閉店が各地で続き、車検やオイル交換の予約が取りにくい「メンテナンス難民」という言葉まで聞かれるようになりました。
頼れる店が遠くなると、ちょっとした不調でも相談するのがおっくうになります。気がかりを抱えたままでは遠くへ走る気も起きず、ガレージにいる時間がまた延びていく。理由が理由を呼ぶ、悪い流れです。
保管場所や盗難、騒音に疲れた
大柄な車体を置ける場所は、日本の住宅事情だと案外限られます。マンションに移ったら、駐輪場の区画に収まりきらなかったという人もいました。
そして避けて通れないのが盗難です。ハーレーは窃盗団に狙われやすく、太いチェーンで構造物につなぐ、GPSを付けるなど、持ち主は気の休まる暇がありません。
排気音も悩みの種でしょう。早朝や夜に家の前でエンジンを温められず、通りまで押して出る。そんな気づかいに疲れて手放す人もいます。
私が暮らす沖縄では、海からの塩気を含んだ風と湿気も手ごわい相手。走らない日もメッキを拭き上げてサビを防がないといけないので、台数が多いほど手間は増えていきます。
相場が上がり乗り換えたくなった
手放す理由は、つらいことばかりではありません。前向きな理由で売る人もいます。
空冷スポーツスターの生産終了や旧車人気もあって、ハーレーの中古相場は高い水準が続いています。買ったときに近い金額、場合によってはそれ以上で売れたという話も聞くほどです。
この機会に今のハーレーを売って、新しいモデルや軽い一台に乗り換える。体に合わなくなったなら、同じハーレーの中で車格を見直すのも一つの道でしょう。
車種ごとの値落ちしにくさは「ハーレーのリセールランキングと値落ちしにくい車種」で詳しく紹介しています。今の愛車がどのあたりにいるのか、目安にしてみてください。
私がファットボーイを売ると決めるまで
少しだけ、私自身の話をさせてください。好きで乗ってきたファットボーイを、どんな気持ちで見つめ、何をきっかけに売ると決めたのか。
迷いの途中にいる人に、何か一つでも届けばと思います。
磨くほど手放せなかった日々

ファットボーイは、長く大事にしてきた一台でした。那覇のガレージで車体を磨いていると、やっぱり格好いいんですよ。
ぶ厚いタイヤと低く構えた車体を眺めていると、それだけで満たされる気がしました。「もう少し持っていよう」と思ったのは、一度や二度ではありません。
ただ当時は、ほかのバイクに乗る機会が増えていました。ツーリングに出る朝、キーを手に取るのは決まって別のバイク。ファットボーイは、乗る時間より眺める時間のほうが長くなっていたんです。
乗らなくても続く出費と手間
乗らなくても、税金や保険料はかかります。久しぶりに動かすとなれば、バッテリーは大丈夫か、タイヤは傷んでいないか、いちいち気になるものです。
沖縄の潮風は、ガレージで休んでいるバイクにも容赦なく吹きつけます。走らせてもいないファットボーイのために、毎週のように布を手にしていました。
好きで買ったバイクなのに、維持することが少しずつ負担になっていく。その矛盾に気づいたとき、ようやく「一度ちゃんと考えてみよう」と思えたんです。
ヤラ「乗らないのに手入れだけは欠かせない」と感じ始めたら、考えどきかもしれません。売ると決める前に、今の価値だけでも知っておくと気持ちが楽になります。
2社の一括査定で18万円差が出た
それでも、安く手放して後悔するのだけは嫌でした。そこで使ったのが、CTNバイク一括査定とカチエックスです。
同じ車両の情報を両方に出して、複数の買取業者の条件を見比べました。その結果、最初の買取店より18万円高い条件で売ることができたんです。
1社目の金額でうなずいていたら、この差は知らないままだったはず。思い返すたびに、背筋が少し伸びます。
あのとき身にしみたのは、査定額を知ることと、売ることは別だということ。金額を見たうえで「やっぱり売らない」と決めても、何も困ることはありません。
今もハーレーは4台持っていますが、乗る回数が減ったからといって、すべて手放すべきだとは思っていません。
ただ、維持費が負担になっているなら一度査定額を確かめてみる。その金額を見てから残すか売るか決めても、決して遅くないと思っています。
売るか残すかを決める4つの判断軸
では、実際に売るか残すかをどう決めればいいのか。私が自分のバイクで使っている4つの物差しを紹介します。
どれか一つで決めるのではなく、いくつか重ねて見るのがコツ。そうすると、自分の気持ちがどちらを向いているのかがはっきりしてきます。
乗る頻度と維持の負担がそろったか
最初に見てほしいのは、二つの変化が同時に起きていないかどうか。乗る回数が落ちてきたことと、維持が重荷に感じ始めたことが重なったら、本気で考えるべき時期だと私は思っています。
どちらか一方だけなら、話は別です。たとえ出番が減っていても、手入れや支払いが苦にならないうちは、慌てて答えを出さなくて大丈夫でしょう。
次のようなサインが続いていないか、振り返ってみてください。
- 最後に走った日を思い出せない
- 次のツーリングの予定が浮かばない
- 更新の案内を開くのが億劫になった
- カバーの埃を見ても手が動かない
当てはまるものが多いほど、気持ちは「手放す」ほうへ傾いているのかもしれません。
1日あたりの費用で考えてみる
次は、お金の面からの見方。レシートや引き落としを見返して、この1年で愛車に出ていった金額を合計し、走らせた日数で割ってみましょう。
例えば年間24万円かかって、走ったのが6日なら1日あたり4万円。その数字を見ても「それだけの価値はある」と笑えるなら、迷う必要はありません。
逆に、数字を見た瞬間に「ちょっと高いな」と感じたなら、それも大事なサイン。年に数回なら大型バイクを借りて楽しむ、という割り切り方もあります。
年間の総額だけを見ると、どのバイクも高く感じてしまいます。1日あたりの費用と、そのときの楽しさを並べて比べるのが判断のコツです。
シャッターを開けた瞬間の気持ち
三つ目は、心の動きを確かめる方法です。ガレージのシャッターを開けて愛車と目が合った瞬間、最初に浮かんだ言葉に耳を澄ませてみてください。
ファットボーイのころの私は、磨いている間は楽しいのに、走り出す自分の姿がもう浮かばなくなっていました。眺める喜びと乗る喜びが、いつの間にか別々になっていたんです。
逆に、ほとんど乗らなくても見るたびに胸が躍るなら、その一台は持っているだけで役目を果たしています。あなたは最近、愛車の前でどちらの気持ちになりましたか?
走行距離や車検の節目で考える
四つ目は、車両の節目です。お金が大きく動くタイミングに合わせて考えると、判断の材料がそろいやすくなります。
| 節目 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 初回車検(購入から3年目) | 維持費とこの先を考え直す人が多い |
| 走行3万km前後 | 査定額が下がりやすい目安とされる |
| 走行4万〜5万km | 大きめの部品交換が必要になりやすい |
| 走行8万〜10万km | エンジンの分解整備が視野に入る |
こうした節目の手前で、「ここまでお金をかけて乗り続けたいか」と自分に聞いてみる。すぐに「うん」と答えられるなら、それが今のあなたの答えです。
ヤラ迷ったら、1年後の自分を想像してみてください。ハーレーのない暮らしを思い浮かべて寂しさが勝つなら、まだ手放す時期ではないのかもしれません。
手放す前に試したい見直し方
理由によっては、売らなくても悩みが軽くなることがあります。ここでは、手放す前に一度試してほしい見直し方を紹介しますね。
維持費を下げる見直しポイント
まず手をつけやすいのが任意保険です。補償の内容を見直したり、ネットで申し込む保険に切り替えたりすると、年に2万〜4万円ほど下がることもあります。
車検をユーザー車検にする、簡単なオイル交換は自分でやる、といった方法もあるでしょう。ただし、点検の記録が残らないと、売るときの評価が下がる場合がある点には気をつけてください。
しばらく乗る予定がないなら、ナンバーを返す「一時抹消登録」も選択肢の一つ。翌年度からの軽自動車税がかからなくなり、車検も切れたままで構いません。
任意保険も、中断の手続きをすれば等級を引き継げる場合があります。条件は保険会社ごとに違うので、正確な情報は各社の公式サイトや窓口で確認してください。
重さや腰の痛みを和らげる工夫
体の痛みが引き金なら、乗る姿勢を少し変えるだけで救われることがあります。専門店でもよく勧められるのが、ハンドルを2〜3cm上げて手前に寄せる方法です。
肘に余裕ができると、上半身の重さが腰の一点にかかりにくくなります。長く走ったあとの痛みが、ずいぶん違ってくるはずです。
体圧を分散するシートや背もたれ、軽い力で握れるクラッチ部品に替える方法もあります。転んだときに車体と足を守るエンジンガードを付ければ、取り回しの不安も和らぐでしょう。
合う形は体格によって違います。部品を買う前に、いつも世話になっている店で実際に座って見てもらうのが確実です。
軽いハーレーや中古への乗り換え

売ることと、バイクから離れることは同じではありません。重さが理由なら、ハーレーという選択肢まで捨てる必要はないかもしれません。
例えば300kg前後のソフテイルから、220kgほどのナイトスターに移れば、ざっと80kg軽くなります。10kgの米袋で8つ分。押して歩いたときの差は、想像以上です。
今のハーレーを売ったお金で、状態のいい中古ハーレーに乗り換えるのも手でしょう。予算ごとの選び方は「予算50万・100万・150万円で選ぶハーレー中古車」で詳しく紹介しています。
乗り換えるなら、車両の値段ではなく支払総額で比べるのが鉄則。最初の整備費まで残しておけば、買った直後に慌てずに済みますよ。
売ると決めたら押さえたい注意点
気持ちが「売る」に傾いてきたら、ここからは損と後悔を減らすための準備です。気持ちの面、時期、ローン、値段の読み方の順に見ていきましょう。
売ったあとに悔やむ人の共通点
売ってから「早まった」と頭を抱える人がいるのも事実です。車検代を惜しんで勢いで決めた、仕事で疲れ切った勢いで売った。そんな場合に多いように感じます。
売ったハーレーはすぐに次の持ち主や海外へ渡るため、まず手元には戻ってきません。街で同じ排気音を聞くたびに切なくなる、という話はよく耳にします。
反対に、売ったあと「肩の荷が下りた」と晴れやかな顔をしている人も大勢います。両者を分けるのは、自分で納得して決めたかどうか。
最後に思い出の道を一緒に走ってから送り出す人がいるのも、よくわかります。
最近では、ハーレーの米国本社が空冷スポーツスターを2027年ごろをめどに復活させる計画を明らかにしました(出典:ハーレーダビッドソン米国本社『Back to the Bricks戦略計画の発表』)。
手放した人が「また乗りたい」と戻ってくる流れは、これから増えるかもしれません。ただし日本での発売時期や価格は、今後の正式な案内を待つ必要があります。
税金と車検から逆算する売りどき
売る時期で意識したいのは、余計な出費をせずに済むタイミングです。
軽自動車税は、4月1日の時点で名義を持っている人に、その年度の分がまとめてかかる仕組み。3月のうちに名義変更まで済めば、翌年度の6,000円は払わなくて済みます(出典:e-Gov法令検索『地方税法』)。
車検が切れる前も、一つの区切りになるでしょう。車検を通してから売っても、その費用がそのまま査定額に上乗せされることはまずありません。
そして何より大切なのは、動く状態のうちに査定に出すこと。バッテリー上がりやサビ、ガソリンの劣化で傷む前なら、それだけで評価は変わってきます。
バイクの需要が増える春の前、2〜3月は買取店が在庫を集めたい時期とも言われます。ただ、季節を待つ間に車両が傷めば、その上乗せ分は消えてしまいます。
ローンが残る人は名義を先に確かめる
ローンを払っている途中なら、真っ先に車検証を出してきてください。所有者の欄に信販会社や販売店の名前があれば所有権留保の状態で、このままでは自由に売れません。
とはいえ、手元にお金がなくても売れることは多いんです。大手の買取店なら、買取代金で残りのローンを返し、名義を外す手続きまで代わりに進めてくれます。
例えば残りのローンが20万円で、買取額が40万円なら、差額の20万円が手元に残る計算。反対に買取額のほうが少なければ、足りない分を現金で払うことになります。
どこまで代行してもらえるか、差額をどう払うかは契約ごとに違います。査定を頼む段階で、ローンが残っていると先に伝えておけば話がこじれません。
中古車サイトの値段は売値と心得る
売るか迷うと、つい中古車サイトで同じモデルの値段を眺めてしまうもの。でも、そこに並んでいるのは、お店が整備して保証を付けたあとの「売り値」です。
買取店はその売り値から、整備や保証にかかるお金、売れるまで在庫を抱える分、自分たちの取り分を逆算して買い取ります。だから受け取れる金額は、表示より下がって当然なんです。
同じ年式でも、走行距離やカスタム、保管の状態で値段は変わります。自分の一台がいくらになるかは、結局のところ査定を受けて初めてわかるものです。
迷うなら査定額を判断材料にする
まだ決めきれない人こそ、一度いくらで売れるかを調べてみてください。査定を受けるだけなら、売ることが決まるわけではありません。
1社で決めず査定額を並べてみる

経験から一つだけ言えるとしたら、最初の1社でうなずかないこと。買い取ったバイクをどこへ流すか、どんな車種が得意かは店ごとに違うので、同じハーレーでも金額に差が出ます。
写真を送るだけで全国の業者が入札するカチエックスと、最大10社が金額を競うCTNバイク一括査定。この2つを同じ日に使えば、おおよその相場がつかめます。
「今日決めてくれたらこの金額で」と迫られても、その場でペンを取る必要はありません。業者ごとの特徴や出張買取の断り方は「バイク買取はどこがいい?おすすめ業者の口コミ比較」で詳しく書いています。
ヤラ査定士が来たら、整備の記録やこだわった部分を自分の口で伝えてみてください。言われないと気づかれない良さも、案外多いんです。
査定の前にそろえておくもの
査定の前に、次のものを手元に用意しておくと話が早く進みます。
- 車検証と自賠責保険の証明書
- 点検や修理の明細、記録簿
- 取扱説明書とスペアキー
- 外して保管している純正部品
特に、純正のマフラーやシートが残っていると評価されやすくなります。買取店が「ノーマルに戻して売る」という選択肢を持てるからです。
カスタム費用がそのまま金額に乗ることは、まずありません。外した部品は捨てずに取っておき、査定のときに一緒に見せましょう。
最後にひと拭きしておくのもおすすめです。手入れの行き届いた車体は、それだけで前のオーナーの丁寧さを物語ってくれます。
残すと決めたときにやっておくこと

査定額を見て「この金額なら、まだ手元に置いておきたい」と思えたなら、それはもう迷いではなく選択です。胸を張って乗り続ければいいと思います。
乗らない期間が長いなら、バッテリーに維持充電器をつないでおくのがおすすめ。走らせる日は、エンジンをかけて終わりにせず、20〜30分ほどしっかり走って充電させてあげてください。
盗難保険やロードサービスに入っておけば、ガレージに置いている間も、出先で止まったときも、ずいぶん気持ちが楽になるはずです。
ヤラ乗らない時期は、ガソリンを満タンにしておくとタンクの内側がサビにくくなります。小さなひと手間ですが、次に走る日の調子がずいぶん違います。
ハーレーを手放す前によくある疑問
最後に、ハーレーを売るか迷っている人からよく聞かれる質問に、まとめて答えておきます。
ハーレーを手放す理由に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ハーレーを手放す理由で一番多いのは何ですか?
A. 体験談を読み比べると、維持費の重さと、暮らしの変化で出番が減ったことの二つが目立ちます。ただ、どちらか一つで売る人は少なく、車重のつらさなどほかの理由と重なったときに決める人が多い印象です。理由の割合を示した公的な統計はないので、傾向として参考にしてください。
Q2. 乗らないまま持ち続けると何か困りますか?
A. 困るのは、費用と車体の傷みが同時に進むことです。税金や保険料は乗らなくてもかかり、放置が長いほどバッテリーやタイヤ、燃料系の手当てが必要になります。売るつもりがなくても、動くうちに一度査定額を知っておくと、持ち続ける価値と見比べやすくなりますよ。
Q3. ローン返済中のハーレーも売却できますか?
A. 車検証の所有者が自分なら、そのまま売れます。信販会社や販売店が所有者になっている場合も、買取代金で残りのローンを返し、名義を外す手続きを代わりに進めてくれる買取店は多くあります。買取額がローンの残りより少ないときは差額の支払いが必要になるため、先にローン会社へ残高を確認しておきましょう。
Q4. 査定を申し込んだら必ず売らないといけませんか?
A. 査定を受けただけで、売る義務が生じることはありません。私もファットボーイのときは、売るかどうか決めきれないまま査定を頼みました。金額や条件に納得できなければ、断って大丈夫です。その場で即決を迫られても、売却の意思を伝えて契約するまでは、売ることは決まりません。
Q5. ハーレーを売って利益が出たら税金はかかりますか?
A. 通勤など日常の足として使っていたバイクは「生活用動産」にあたり、売って利益が出ても所得税はかかりません。ただ、主に趣味で持っていたバイクは扱いが変わることがあり、利益が特別控除の50万円を超えると課税の対象になる場合があります(出典:国税庁『No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法』)。
旧車が買ったときより高く売れた場合などは、最終的な判断を税務署や税理士に確認してください。
Q6. カスタムしたハーレーは純正に戻してから売るべきですか?
A. 自分で純正に戻す必要はありません。戻す工賃がかかるうえ、カスタム費用がそのまま査定額に上乗せされることもまずないからです。外した純正パーツを一緒に見せれば、買取店がノーマルに戻して売る道を選べるので、評価されやすくなります。カスタムの価値がわかる買取店も含めて、複数社で比べてみてください。
Q7. 何歳くらいでハーレーを降りる人が多いですか?
A. バイクの免許に年齢の上限はなく、70歳以上は免許の更新時に高齢者講習を受けながら乗り続けている人もいます。ただ、重いハーレーは取り回しの負担が大きく、60代から70代前半で降りたり、軽いバイクに乗り換えたりする人が多い印象です。年齢そのものより、立ちゴケの不安や体の痛みが出てきたかを目安にするといいでしょう。
ハーレーを手放すか迷う人へのまとめ
ハーレーを手放す理由としてよく挙がるのは、維持費、出番の減少、車重、理想とのずれ、整備先への不安、保管や盗難の悩み、そして乗り換えの7つ。
たいていは、このうち二つ三つが重なったら決断の時です。
- 出番の減少と維持の重荷が重なれば考えどき
- 1日あたりの費用と楽しさを比べる
- 売ってもハーレーをやめる必要はない
- 名義変更は3月中、車検の前が目安
- ローン中はまず車検証の所有者欄を見る
- 査定は複数社の金額を並べて判断
出番が減り、維持の負担も増えてきたなら、愛着だけを頼りに持ち続ける前に査定額を確かめてみてください。金額を知ることと、売ると決めることは別の話です。
数字を見て胸のつかえが取れるのか、それとも急に惜しくなるのか。その反応こそが、あなたの本当の気持ちなのだと思います。
ファットボーイを手放した今も、私はあの決め方でよかったと感じています。あなたも、自分が納得できる形で、ハーレーとの次の一歩を選んでくださいね。
