
こんにちは、ラグジュアリー・モーターサイクルのヤラです。
ロードキングで南城市まで走った帰り、休憩先の駐車場でエンジンをかけ直したときのことです。セルの回りがいつもより重たく、もたつくように感じました。
幸い那覇までは無事に帰れました。ただ、もしあの場で動かなくなっていたら、行きつけのショップまで運んでもらえたのか。帰宅してから、それが急に気になったんです。
そこで、保険のロードサービスを調べ直しました。最初は「レッカー距離無制限」と書いてあれば安心だと、すっかり思い込んでいました。
ところが中身を読むと、無制限なのは指定された修理工場へ運ぶ場合だけ。自分で搬送先を選ぶと無料距離に上限がつくなど、保険会社によって条件がまるで違ったんです。
沖縄本島でも、北部までツーリングに出かければ、那覇のショップまではそれなりの距離があります。無料の範囲に収まるのか、正直なところ自信がありませんでした。
40年以上バイクに乗っていますが、故障はいつ起こるかわかりません。今回は、「距離無制限」の本当の条件と各社の違いを、私が確かめた順にお伝えします。
読み終えるころには、あなたが走る場所と運んでほしいショップに合うロードサービスが、きっと見えてくるはずです。
- 「距離無制限」に隠れた搬送先の条件
- 主要バイク保険の無料レッカー距離の違い
- 宿泊・帰宅費用や修理後搬送の比べ方
- ツーリング範囲に合う保険の選び方
バイク保険のロードサービスで距離無制限の意味
まずは「距離無制限」という言葉が、実際に何を指しているのかを確かめておきましょう。ここを取り違えると、いざというときに数万円の自己負担が出てしまいます。
距離無制限には2つの型がある
バイクのロードサービスで「無制限」をうたうものは、中身を見ると大きく2つに分かれます。この違いを知っているかどうかで、安心の度合いがまるで変わってくるんです。
1つ目は、保険会社が指定する工場までなら無制限という条件付きの型。バイク保険に付いてくるロードサービスは、ほとんどがこちらです。
2つ目は、自分が指定したショップや自宅まで無制限という型。バイク専門のZuttoRide Clubや、国内メーカー系の無制限プランがこれにあたります。
見知らぬ工場ではなく、いつも面倒を見てもらっている主治医のショップへ一度で帰りたい。そう考える人にとって、本当の意味で無制限なのは2つ目の型だけでしょう。
「距離無制限」と書かれていたら、まず「どこへ運ぶ場合に無制限なのか」を確かめましょう。搬送先を自分で選べるかどうかが、いちばん大きな分かれ目です。
指定工場まで無制限になる仕組み

条件付きの無制限では、保険会社のロードサービスセンターが、現場から最寄りの修理工場を選んで手配します。この場合に限って、レッカーの距離や費用が無料になる仕組みです。
山あいの道で止まったら、近くの町の整備工場へ運ばれるイメージでしょうか。距離がそれほど延びないので、保険会社としても無制限にしやすいわけです。
ただ、運ばれた先がハーレーやドゥカティに慣れた工場とは限りません。部品の取り寄せに日数がかかったり、修理そのものを断られたりすることもあり得ます。
代理店型の損保では、「15万円まで」といった費用の枠を設けつつ、保険会社が事前に承認した工場へ運ぶ場合は枠をなくす、という二段構えがよく見られます。
自分で選ぶと無料距離に上限がつく
行きつけのショップや自宅のガレージを搬送先にすると、多くの保険で無制限の扱いから外れます。代わりに「100kmまで無料」「50kmまで無料」といった距離の上限がかかるんです。
金額で上限を決めている会社もあります。代理店型でよく見る「15万円まで」は、距離にするとおよそ150〜200km分の搬送にあたる計算です。
私も最初は、無制限の文字だけを見て安心しきっていました。でも、運んでほしいのは指定工場ではなく那覇の行きつけのショップ。条件を読んで、ひやりとしたのを覚えています。
あなたが運んでほしい先はどこでしょう。近くの工場で直せれば十分なのか、主治医のショップでないと困るのか。答えしだいで、見るべき数字が変わってきます。
無料距離を超えたときの費用の目安
無料距離を超えた分は、走った距離1kmごとに追加料金がかかります。保険に付いてくるロードサービスでは、1kmあたりおよそ500〜830円が目安です。
たとえば200km先で止まり、無料距離が50kmの契約だったとしましょう。超えた150km分だけで、7万〜12万円ほどの自己負担になる計算です。
ロードサービスが何もない状態で民間のレッカーを呼ぶと、さらに高くつきます。市街地の5kmでも3万5,000円前後、深夜に50km運べば7万〜9万円ほどかかることもあるんです。
主要バイク保険のロードサービス比較
ここからは、主なバイク保険のロードサービスを具体的に比べていきます。同じ「無料レッカー」でも、会社ごとに得意なところがはっきり分かれているんです。
ダイレクト型3社の無料レッカー距離
ネットで申し込むダイレクト型では、アクサ損害保険、チューリッヒ保険、三井ダイレクト損保の3社がよく比べられます。ロードサービスの評価でも、この3社が上位に並ぶことがほとんどです。
主な違いを表にしました。細かな条件は契約内容でも変わるので、比べるときの物差しとして見てください。
| 比較項目 | アクサ損害保険 | チューリッヒ保険 | 三井ダイレクト損保 |
|---|---|---|---|
| 指定工場へのレッカー | 距離無制限 | 100kmまで無料 | 100kmまで無料 |
| 自分で選んだ工場へのレッカー | 100kmまで無料 | 100kmまで無料 | 100kmまで無料 |
| 宿泊費用 | 全員分の1泊を全額(帰宅と選択) | 全員分の1泊を全額 | 1人1泊1万円まで |
| 帰宅費用 | 全員分を全額(宿泊と選択) | 全員分を全額 | 1人2万円まで |
| 修理後のバイク | 引取りの交通費1名5万円まで | 自宅への搬送を全額 | 自宅への搬送10万円まで |
表を見ると、自分で選んだ工場への無料距離は、3社とも100kmで横並びだとわかります。差が出るのは、指定工場の扱いと、帰りの足や修理後の段取りのほうなんです。
アクサは指定工場なら距離無制限
アクサの「AXAプレミアムロードサービス」は、ロードサービスセンターが指定する最寄りの修理工場まで、レッカー距離が無制限。自分で工場を指定した場合は、二輪と原付で100kmまで無料です。
(出典:アクサ損害保険『AXAプレミアムロードサービス規定の改定に関するお知らせ』)
全国1万か所を超える拠点から駆けつけてくれ、手配が済むとスマホに到着予定時刻や位置情報が届きます。待つ側としては、これがあるだけで気持ちがずいぶん楽になるもの。
最寄りの工場が休みの日や営業時間外なら、サービス業者が48時間まで無料で一時保管し、翌日以降に搬入してくれます。夕方のツーリング中に止まっても、置き場所に困りません。
気をつけたいのは、宿泊費用と帰宅費用がどちらか一方の選択制であること。費用はいったん立て替え、50日以内に領収書の原本を添えて請求する決まりになっています。
修理後は、自分で引き取りに行く片道の交通費が1名分、5万円まで出ます。バイクを自宅まで運んでくれるわけではないので、ここは他社と見比べておきたいところでしょう。
チューリッヒは修理後の搬送が無制限

チューリッヒは、指定工場でも自分で選んだ工場でも、無料レッカーは100kmまで。最初のレッカーに「無制限」の設定はありません。(出典:チューリッヒ保険会社『業界最高レベルのロードサービス』)
そのかわり、修理が終わったバイクを自宅まで運ぶ費用は、距離に関係なく全額補償されます。旅先の近くの工場で直してもらい、あとで自宅へ届けてもらう使い方ができるんです。
宿泊は乗っていた人全員分の1泊を全額、帰宅や目的地までの交通費も全員分を上限なしで補償。24時間までのレンタカー代も出るので、旅を続ける選択肢まで残せます。
一方で、バッテリー上がり、ガス欠、キーの閉じ込み、キー作成の4つは、保険期間中それぞれ1回まで。回数の上限があることは頭に入れておきましょう。
口コミや保険料まで含めた評価は、「チューリッヒのバイク保険の評判と口コミ」でくわしく書いています。
三井ダイレクトは上限額がわかりやすい
三井ダイレクト損保は、契約者が希望する修理工場まで、実際に走った距離で100kmまで無料でレッカーしてくれます。こちらも指定工場向けの無制限はありません。
帰りのサポートは、すべての契約に自動でセット。宿泊は1人1泊1万円まで、帰宅は1人2万円まで、修理後の自宅への搬送は1事故10万円までと、上限額がはっきり決まっています。
全額補償の会社と比べると見劣りしそうですが、上限がわかっているぶん計算はしやすいもの。ビジネスホテルの1泊なら、多くの地域で1万円の枠に収まるでしょう。
修理後の搬送10万円で足りるかは、ツーリング先から自宅までの距離しだい。遠出が多い人は、行きつけのショップに陸送費の目安を聞いておくと安心です。
代理店型は事前承認で無制限になる
東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保などの代理店型は、レッカー費用と応急作業の合計に15万円などの上限を設けています。
ただし、専用デスクに先に連絡し、保険会社が承認した工場へ運ぶ場合は上限をなくす、というのが東京海上日動や損保ジャパンの決まりです。
三井住友海上は、事前に承認を受ければ、自宅近くのディーラーや整備工場まで「必要かつ妥当な費用」を限度額なしで補償するとしています。行きつけの店へ帰りたい人には、注目したい内容です。
帰りのサポートは、宿泊が1人1万〜2万円ほど、帰宅が1人2万円までという会社が中心。修理後に自分で引き取りに行く交通費は、損保ジャパンや三井住友海上で1事故15万円までとなっています。
代理店型の「無制限」は、事前の連絡と承認がセットです。承認の範囲は事故の状況でも変わるので、搬送先の希望はセンターへ最初にはっきり伝えましょう。
レッドバロンとあいおいニッセイの連携
レッドバロンでバイクを買い、同社を通じてあいおいニッセイ同和損保のバイク保険に入ると、独自のゴールドカード特典が付きます。
全国どこからでも、最寄りのレッドバロン店まで距離無制限で引き上げてもらえる仕組み。夜間も提携業者が駆けつけてくれます。
ただし、運ばれる先はあくまで最寄りの店舗で、自宅や買ったお店ではありません。しかも沖縄県と離島は対象外。那覇に住む私には使えない特典だと知って、少し残念でした。
距離以外に比べたい帰宅と宿泊の補償
レッカーの距離ばかりに目が行きがちですが、遠くで止まったときに困るのは自分の帰り道です。ここでは、距離と同じくらい大事な3つの視点を見ていきます。
宿泊費と帰宅費は全額か上限ありか

意外と知られていないのが、保険のロードサービスではレッカー車に原則として同乗できないことです。
保険会社や民間業者がお客を乗せて運ぶと、道路運送法で禁じられた無許可の旅客運送にあたるため。バイクはトラックで運ばれても、あなたは現場に残されるわけです。
そこで頼りになるのが、宿泊費用と帰宅費用のサポート。補償の形は、全員分を全額出す型と、1人あたりの上限額を決めている型の2つに分かれます。
チューリッヒやアクサは全額型、三井ダイレクトや代理店型は上限型です。タンデムで出かける人や、新幹線や飛行機を使う距離を走る人なら、全額型の安心感はかなり大きいでしょう。
逆に、近場のツーリングが中心なら上限型でも足りることが多いかなと思います。あなたの遠出は、日帰りが中心でしょうか、それとも泊まりがけでしょうか。
修理後のバイクを誰が運ぶか
見落としやすいのが、修理が終わったあとのバイクの扱いです。旅先の工場で直した場合、そのバイクをどうやって家まで戻すかを考えておかなければなりません。
方法は2つ。保険会社の手配で自宅まで運んでもらうか、自分で工場まで引き取りに行くかです。チューリッヒは前者を全額、三井ダイレクトは10万円まで補償しています。
アクサや損保ジャパン、三井住友海上は、引き取りに行く交通費を補償する形。もう一度遠出できる人ならいいのですが、休みが取りにくい人には負担かもしれません。
沖縄本島で考えた距離の目安
私が住む沖縄本島で当てはめてみます。那覇から本島北端の辺戸岬までは、道のりで100kmを少し超えるくらいです。
やんばるの奥まで走って止まれば、那覇のショップまでは100km前後。自分で選んだ工場へ100kmまで無料という保険なら、ぎりぎり収まるか、少しはみ出す距離なんです。
はみ出した分が十数kmなら、追加料金は数千円から1万円ほど。大きな額ではありませんが、無制限だと思い込んでいたら、やはり驚くはずです。
本土へバイクを送って何日も走るなら、話はまったく別。数百km先で止まれば、指定工場か自分のショップかで負担が大きく変わります。
ヤラ北部まで走る日が多いなら、行きつけのショップまでの道のりを一度測っておくと安心です。100kmを少し超えるだけでも、追加料金がかかりますからね。
行きつけのショップまで無制限で運ぶ方法
保険だけでは「自分のショップまで無制限」にならないなら、外のサービスで補う方法があります。私が候補に入れてきたものを順に紹介します。
ZuttoRideのロード無制限プラン
バイク専門のロードサービス「ZuttoRide Club」のロード無制限プランは、年会費9,990円。全国どこで止まっても、自分が指定したショップや自宅まで、距離も金額も上限なしで運んでもらえます。
24時間365日の受付、レッカー、30分以内の応急作業、カギ開け、ガス欠時の給油作業、バッテリー上がりのジャンピングと、基本のサポートもひと通りそろっています。
距離で選ぶプランもあり、ロード50が年5,990円、ロード100が年7,990円。超えた分は1kmあたり550円かかるので、遠出が多い人ほど無制限との差額はすぐに埋まってしまうでしょう。
ただ、遠距離の搬送では、いったん近くの業者が引き上げて保管し、後日別の便で指定先へ運ぶこともあります。距離が無制限でも、すぐに戻ってくるとは限りません。
盗難保険とのセットや年会費の細かな違いは、「ZuttoRide Clubの盗難保険とロードサービスの比べ方」にまとめています。
メーカー系ロードサービスの無制限
ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内4メーカーにも、正規販売店で入れる公式のロードサービスがあります。どれもZuttoRideが運営を受け持っていて、基本の決まりはほぼ共通です。
大きな違いは年会費。メーカー系から入ると、距離無制限のプランが年3,850〜7,100円ほどで、新車なら1〜3年無料になるものもあります。
たとえば「Honda Dream Owner’s Club」は、ホンダドリーム店で126cc以上の新車を買うと3年間無料、4年目以降は年3,850円。搬送先は全国のホンダドリーム店で、距離の制限はありません。
(出典:本田技研工業『Honda Dream Owner’s Club』)
ヤマハのYSPやカワサキプラザ、スズキの販売店にも、自宅や加入した販売店まで無制限で運ぶプランが用意されています。ただし対象は、基本的にそのメーカーの販売店で扱ったバイクです。
私のハーレーやドゥカティは、こうした国内メーカー系の対象外。輸入車に乗っている人は、ZuttoRide単体のプランを候補にするのが現実的でしょう。
JAFやカード付帯と組み合わせる

JAFは、バイクではなく会員本人に付くサービスです。何台持っていても、友人のバイクを借りても、四輪に乗っていても、会員証1つで救援を受けられます。
無料のけん引は20kmまでで、超えると1kmごとに830円。距離では保険にかないませんが、利用回数に上限がなく、泥道のスタックや大型バイクの引き起こしにも対応してくれます。
しかもJAFは非営利の一般社団法人なので、搬送先の修理工場までレッカー車に同乗可能。年会費は4,000円で、初年度だけ入会金2,000円がかかります。
もう1つ、全国オートバイ協同組合連合会とジャックスが出している「CLUB AJカード」も便利です。年10万円以上使えば年会費が無料になり、50kmまでの無料レッカーが付いてきます。
ただし、トラブルの現場で実物のカードを見せるのが絶対の条件。ほかのロードサービスと無料距離を足し合わせることもできません。
距離無制限でも使えない場面と注意点
無制限のサービスに入っていても、使い方を間違えると1円も出ないことがあります。契約前に知っておきたい落とし穴を4つ紹介します。
事前連絡なしの自己手配は対象外
いちばん多い失敗が、保険会社のセンターに連絡せず、自分でレッカーを呼んでしまうことです。どの保険会社でも、事前に連絡がない手配は無料サービスの対象外になります。
あとから領収書を出しても、費用は戻りません。行きつけのショップに直接迎えに来てもらいたい場合でも、まず保険会社に電話して、手配や承認を通してもらう必要があります。
だからこそ、センターの電話番号はスマホに登録しておくのがおすすめ。私はツーリングに出る前、保険証券の写真と一緒に連絡先を確かめるようにしています。
なお、ロードサービスだけを使っても、翌年の等級は下がりません。保険金の請求とは別の付帯サービスなので、遠慮せずに使ってかまわないんです。
林道や離島など対象外の場所
無制限のサービスでも、どこにでも駆けつけてくれるわけではありません。林道や砂浜、河川敷、通行止めの道、サーキットなどは、保険やZuttoRideでは基本的に対象外です。
砂浜や泥道でのスタックの引き上げを明記しているのは、JAFくらいのもの。オフロードで遊ぶ人は、JAFを足しておくと安心できるでしょう。
沖縄に住む身として気になるのが離島の扱いです。ZuttoRideやメーカー系は沖縄本島を対象にしていますが、それ以外の離島は対象外。宮古島や石垣島へバイクを渡すなら、別の備えが必要になります。
また、自宅の駐車場でのガス欠などは、損保各社で対象外とされることがほとんど。メーカー系では、自宅から1km以内の引き上げが翌日以降の予約になる場合もあります。
大型カスタム車は断られることも

ハーレー乗りとして見逃せないのが、車両の大きさや改造の条件です。メーカー系などZuttoRideが運営するサービスでは、ホイールベースが1,900mmを超える車両や、車両重量が500kgを超える車両は対象外とされています。
最低地上高が90mm未満の極端なローダウン車や、サイドカー付き、競技用の車両も同様です。ロングフォークのチョッパーや大柄なクルーザーに乗るなら、車検証を手元に置いて確かめてください。
サイドカーやトライクの救援を頼みたいときは、こうした車両も対象にしているJAFが頼りになります。車検切れや違法改造の車両は、多くのサービスで断られると考えておきましょう。
ヤラカスタムしたハーレーは、加入前に車検証の数字を伝えて確認するのが確実です。いざ呼んでから断られるのが、いちばん困りますから。
ネットで探したレッカー業者に注意
慌ててスマホで検索し、安そうなレッカー業者を呼んでしまうのも危ない選択です。基本料金が安く見えても、作業後に高額な費用を請求されるトラブルが相次いでいます。
ネットで依頼したロードサービスに関する国民生活センターへの相談は、わずか数年で年間700件を超えるまでに増えました。
センターも、故障したらネットで探す前に、まず契約している保険会社や代理店へ問い合わせるよう呼びかけています。(出典:国民生活センター『ネットで検索したロードサービスのトラブルにご注意!』)
保険のロードサービスが使えない場面で業者を呼ぶなら、作業前に総額の見積もりとキャンセル料を必ず確認しましょう。納得できない請求は、その場で払わないことも大切です。
ツーリング範囲に合う保険の選び方
最後に、ここまでの内容をもとに、あなたに合うロードサービスの選び方を考えていきます。決め手は「どこを走るか」と「どこへ運んでほしいか」の2つです。
搬送先と走る範囲から逆算する

まず、トラブルのときにバイクを運んでほしい先を決めます。近くの工場でかまわないのか、行きつけのショップや自宅でないと困るのか、ここがすべての出発点です。
次に、ふだんのツーリング先からその搬送先までの距離を地図で測ります。私は、いちばん遠くまで走った日の道のりを基準にしました。
その距離が保険の無料距離に収まるなら、追加の備えはいりません。はみ出すなら、超過料金を払うか、無制限のサービスを足すかを比べればいいわけです。
あわせて、帰宅・宿泊の補償が全額か上限ありか、修理後の搬送があるかも確認します。この3点を並べると、「無制限」の文字に振り回されずに選べるはずです。
タイプ別のおすすめの組み合わせ
よくある乗り方ごとに、私ならどう組み合わせるかを表にしてみました。あなたに近いものを参考にしてください。
| 乗り方のタイプ | おすすめの組み合わせ | 考え方 |
|---|---|---|
| 遠出が多く自分のショップへ帰りたい | 任意保険+ZuttoRideロード無制限 | 車体は専門サービス、人の帰宅は保険で |
| 旅先の工場で直してもかまわない | チューリッヒまたはアクサ単体 | 修理後の搬送や引取り費用で完結 |
| 原付やセカンドバイクがある | ファミリーバイク特約+JAFかAJカード | 特約にはロードサービスが付かない |
| 複数台持ちやオフロード派 | 任意保険+JAF | 人に付くので全車両をまとめて守れる |
| レッドバロンで購入(沖縄・離島以外) | あいおいニッセイ同和の連携保険 | 最寄りの店舗まで距離無制限 |
ポイントは、人の帰宅は保険、車体の長距離の搬送は専門サービスと、役割を分けて考えること。同じ補償に二重でお金を払うむだも減らせます。
125cc以下の原付を車の保険のファミリーバイク特約で守っている人は要注意。特約の原付には、車の保険のロードサービスが一切使えません。
条件をそろえて見積もりを比べる
ロードサービスの条件が見えてきたら、いよいよ保険料との兼ね合いです。保険料は年齢や等級、走行距離で大きく変わります。
40代以上で20等級のベテランならアクサ、若い世代で等級が低いならチューリッヒが安くなりやすい傾向。年齢と等級で、最安の会社は入れ替わるんです。
そのため、ロードサービスだけで1社に決めず、自分の条件で複数社の見積もりを並べるのが近道。補償をそろえたうえで、ロードサービスと保険料を見比べてください。
一度の入力で複数社の見積もりが届く一括見積もりなら、手間もかかりません。比べ方のコツは「バイク保険の選び方と一括見積もりの使い方」で紹介しています。
ヤラ見積もりを並べたら、まず自分で選んだ工場への無料距離と帰りの補償に印をつけます。保険料を見るのは、そのあとにしているんです。
ロードサービス無制限のよくある疑問
ここでは、バイク保険のロードサービスについて、よく聞かれる質問にまとめて答えていきます。気になるものから開いてみてください。
バイク保険のロードサービスのよくある質問(FAQ)
Q1. バイク保険のロードサービスで、距離無制限なのはどの会社ですか?
A. ダイレクト型ではアクサ損害保険が、ロードサービスセンターが指定する最寄りの修理工場まで距離無制限です。代理店型の東京海上日動や損保ジャパン、三井住友海上も、保険会社が事前に承認した工場へ運ぶ場合は無制限になります。ただし、自分で選んだショップや自宅へ運ぶ場合は、100kmや15万円などの上限がかかるのが一般的です。
Q2. 行きつけのショップや自宅まで距離無制限で運んでもらう方法はありますか?
A. バイク専門のZuttoRide Clubのロード無制限プランなら、指定したショップや自宅まで距離の制限なく運んでもらえます。ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキのメーカー系ロードサービスにも、加入した販売店や自宅まで無制限で運ぶプランがあります。任意保険のロードサービスと組み合わせ、人の帰宅は保険、車体の搬送は専門サービスと役割を分けるのがおすすめです。
Q3. ロードサービスを使うと、翌年の保険料は上がりますか?
A. 上がりません。ロードサービスだけの利用であれば、等級は下がらず、翌年の保険料にも影響しない扱いです。ただし、バッテリー上がりやガス欠などの応急作業には、保険期間中1〜2回までといった回数の上限を設けている会社もあります。
Q4. 保険会社に連絡する前に、自分でレッカーを手配してもいいですか?
A. 自分で手配するのは避けてください。保険会社のロードサービスセンターに事前に連絡せずにレッカーを呼ぶと、あとから領収書を出しても費用は補償されません。行きつけのショップに迎えに来てほしい場合も、まず保険会社に連絡し、そこから手配や承認を受けるのが決まりです。
Q5. レッカー車に一緒に乗って帰ることはできますか?
A. 保険のロードサービスやZuttoRideでは、原則としてレッカー車に同乗できません。営利企業がお客を乗せて運ぶと道路運送法に触れるためです。JAFは非営利の一般社団法人なので、搬送先の修理工場まで同乗できます。保険の帰宅費用サービスとあわせて、帰り道の手段を考えておきましょう。
Q6. 沖縄や離島でも距離無制限のロードサービスは使えますか?
A. ZuttoRideやメーカー系のロードサービスは沖縄本島が対象ですが、それ以外の離島は対象外です。レッドバロンとあいおいニッセイ同和損保の連携による無制限の引き上げも、沖縄県と離島は対象外とされています。島へバイクを渡して走る場合は、加入しているサービスの対象地域をあらかじめ確認してください。
バイク保険のロードサービス選びのまとめ
「距離無制限」は頼もしい言葉に見えますが、条件を読むと中身はさまざまです。最後に、今回のポイントをまとめておきます。
- 無制限は指定工場までが基本
- 自分で選ぶ工場は100km前後が上限
- 超過料金は1km500〜830円が目安
- 帰宅・宿泊は全額型と上限型がある
- 修理後の搬送の有無も必ず比べる
- ショップまで無制限は専門サービスで
- 事前連絡なしの手配は補償されない
- 見積もりは条件をそろえて比べる
南城市からの帰りにセルの回りが重たく感じたあの日、もし止まっていたらと考えたのが、調べ直すきっかけでした。
条件を知った今は、無制限という言葉よりも先に、自分が走る場所と運んでほしいショップを考えるようにしています。
あなたがいちばん遠くまで走る場所はどこでしょうか。そこから主治医のショップまで、今の保険で無料のまま帰れますか?
ロードサービスの内容や条件は改定されることがあるので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。補償の組み合わせに迷うときは、保険会社や代理店などの専門家にご相談ください。
まずはあなたの条件で、ロードサービスと保険料を並べてみてください。きっと、ツーリング範囲に合う1社が見えてくるはずです。
